名著「世界通貨を発行せよ!」を読了して
久しぶりに書籍を紹介したいと思います。
仮想通貨が目指している世界のその先について考えさせる内容であり、私が目指していることと基本的に同じ内容ということになります。
世界通貨を発行せよ! 大村大二郎氏
作者は元国税調査官の方です。
なお、なるほどと思ったことは
お金とは、中央銀行が発行して、誰かが借り入れて市中に提供されている存在であった、
一方で、暗号資産は発行した瞬間にお金として使える存在である
ということです。
コロナ禍において、現在色々な国々が資金を供給しておりますが、これの意味するところは借金を増やしている存在が増えているということになり将来においては足枷になるリスクを孕んでいるということになります。一方で、暗号資産であれば、借金を増やさないという意味ではプラスのインパクトしかありません。
お金の特徴(概念上)は価値があると信じられたら価値があるものということになりますので、借金に依存しない暗号資産の存在は現在の世界を変えるインパクトがあると言えます。
なお、暗号資産産業が目指しているのはどちらかといえばアナキー(無政府)な世界観ですが、作者によると世界レベルで通貨の監督をする仕組みを前提に新しい仮想通貨を発行することを提唱されております。私も暗号資産産業の理想は理解しつつ、どちらかといえば何らかのコントロール(監督)が必要であると考えておりますので、どちらかといえば作者に近いスタンスです。
今後の技術の進歩によりスタンスは変化するかもしれませんが、次の10年においては人間の力(つまり監督)も必ず必要だと想定をしております。
今後、研究するべきテーマを提示頂いており
何らかの価値を保証する仕組みを用意することです。
暗号資産の素晴らしさは、
借金を前提としないことですが、
価格を保証する存在がないこと
そして、ステーブルでないことです。
世界通貨として暗号資産の弱点をなくして発行運用できれば世界が変わるということには全く同感です。
私のレベルではまだ国レベルで動かすのは難しいと想定しており、民間の活動として資産の裏付けがあり、価格を安定させた暗号資産の発明に挑んでみたいと改めて考えさせられた一冊です。
藤井秀樹
株式会社クロス・デジタル・イノベーション 最高経営責任者CEO